『星の王子さま』第11章 二番目の惑星 見栄張り男 うぬぼれや男




こんにちは、育児真っ最中のえりえりです!

 

『星の王子さま』第11章には見栄を張る男が登場します。

 

「やあ!やあ!おれのファンの来訪だな!」

 

初対面なのにすごい挨拶ですね。初めて会った人から発せられる言葉とは思えません。それもそのはず、見栄張り男にとって、他人は全て彼の称賛者。この男はかわった帽子をかぶっています。

 

「拍手喝采を送られたときに、挨拶するためなんだよ。」

 

まさか、帽子にそんな目的があるとは!そうして、男は王子さまに拍手するよう求めます。無理やりですね。それにしても、ここには誰も通らないそうで、男はずっと一人だったのでしょうね。まあ、こんな人がいたら近寄りたくないと思いますが…!

 

ところが、王子さまはちょっと違う感想を持ちました。男の言うままに、王子さまは拍手をすると、男はうやうやしく帽子を持ち上げお辞儀をします。まるで、お人形のしぐさみたいですね。こんなにわかりやすい男もいませんよね。

 

《これは、王さまを訪れるより、おもしろいや》

 

と、王子さまは心の中で思います。そして、再び手を叩きます。すると、見栄張り男はまた帽子を持ち上げ、挨拶をするという展開です。

 

しかし、5分間もこんなことをしていると、王子さまは単調さに飽きて疲れてしまいます。帽子を下におろして欲しいのですが、どうしたらよいのでしょうか。男に聞いても、返事は帰ってきません。男には誉め言葉しか耳に入らないのです。困ったものですね。

 

そこで、王子さまはほめたたえるとはどういうことか、男に質問します。

 

「ほめたたえるというのは、おれがこの星でいちばん美しく、いちばん身なりがよく、いちばん金持ちで、いちばん利口だっていうことを認めることさ」

 

さあ、大変です!この見栄張り男は、何においても一番でなくては満足しないのですね。この星にはたった一人、彼しかいないというのに!滑稽な話です。それでも、男は褒められたいのです。誰も褒めてくれないからですよね。

 

王子さまは褒め称えてあげるといいます。別に褒めることには異論がないようです。でも、なぜ褒められることに興味があるのだろう、と不思議そうです。王子さまは、自分が褒められたいという欲求がないのかもしれないですね。この惑星での経験も、

 

《おとなって、まったく奇妙だな》

 

という思いが、王子さまの中に湧きます。

 

この、「ほめたたえられたい感情」ですが、つまりは、男が「うぬぼれや」ということになりますよね。自分には褒められるだけの価値があると信じているから、その通りになって欲しい。自分が思う自分の素晴らしさを、他人の言葉によって確認したいという。

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ですが、裏を返すと、見栄張り男つまり「うぬぼれや」は、自分の価値に自信がないのかもしれないですね。自信がないから、人から認められることで自信をつけたい、という思いが表れているかもしれません。

 

ここで、人の成長と比較してみたいと思います。

 

我が家の長男は、ゆっくりと本人のペースで体と心が発達しています。世の中では、凸凹な発達だとか、偏った発達だとかいう表現も使われますね。要するに、平均的な発達の仕方と少し違うのです。

 

ですから、彼はほかの子どもが自然に覚えられるような言葉も、時間がかかって習得します。何度も何度も聞いて、彼の中のタンクがいっぱいになってから、ようやくその言葉を発することができるようになるのです。それでも、唇の動きや下の使い方が個性的だったりするため、思うように発音できないときもよくあります。ほかの人から聞き取ってもらえないときも多々あります。きっと本人はもどかしい思いがあるでしょうね。

 

また、体の動きもぎこちなかったり、筋力が弱かったりするため、ほかの子どもがぐんぐん上達する自転車乗りや、縄跳びや、鉄棒や、えんぴつで文字を書くことなど、体の動作ひとつひとつにも習得に時間がかかります。

 

時間がかかると、気持ちはどうなると思いますか?「うーん、僕にはできない。できないと面白くないからやーめた。」となってしまい、途中で放棄してしまいます。

 

できたから自信がつく。しかし、できないと、自信はつかない。こうした成功体験が乏しい子どもは往々にして自信がありません。残念なことに。

 

そこで、親として、身近な大人としてどんなことがしてあげられるかというと、「ほめること」なのです。少しでも以前よりできるようなことがあれば、褒めることです!「以前より」できていなくても、「いま」こうして何かできていることがあれば褒める、ただそれだけなんです。

 

褒める内容は何でもいいです。「朝、起きてトイレに行けたね。」でもいいし、「ご飯を食べれたね」でもいい。「靴を左右正しく履けたね」でもいいし、「わからないときに、教えてって言えたね。手伝ってと言えたね」でもいいんです。

 

大人からすると、大したことのない内容でも、こういう子どもには努力が必要なことが多いので、その努力を褒めてあげることが大事です。すると、子どもは「ちゃんと見ててくれたんだ。自分はこんなことが出来たんだ。」と喜びと安心の気持ちが湧いてきます。こうやって、子どもは成長していくのですね。

 

見栄張り男と子どもの心理について比較してみました。案外、似通っている部分があると思います。

 

それでは、第12章に続きましょう。

 

引用元 『星の王子さま』アントワーヌ・ド=サンテグジュペリ 小島敏明訳 第三書房

 

 



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