『星の王子さま』第15章 6番目の星 地理学者の老紳士




こんにちは、育児真っ最中のえりえりです!

 

『星の王子さま』第15章には地理学者が登場します。6番目の星です。

 

「地理学者って何ですか」

 

王子さまは直球で質問します。子どもならではの、訊き方ですね。毎度同じように、誰かに出逢う度に王子さまは好奇心をむき出しにします。

 

地理学者とは、海や河川、街や山や砂漠などが、どこにあるかを熟知している学者のことですね。れっきとした人のためになるお仕事ですよね。ですから、

 

「それはとても興味深いですね。それこそ、本当の仕事だ!」

 

と、王子さまは興奮しました。そして、これほどにも威厳のある惑星を見たことがなかったのです。星の美しさに王子さまは心を奪われます。

 

ですが、地理学者は大洋があるかどうかも、山があるかどうかも、街や河や砂漠があるかどうかについても、知ることができないと言います。なんか変ですね!

 

よく聞くと、地理学者は探検家ではないから、街や河や山や海や大洋や砂漠を数えに行くことはしないのだそうです。そういうことをするのは探検家の仕事で、探検家からいろいろと聞いたことをノートにとるのだそうです。

 

地理学者はとても大事な仕事をしているので、外をぶらぶら歩いたりできないのですって。仕事部屋を離れたりはしないのだそうです。これも、なんだかへんな話ですね。

 

そして、もっと面白いのは、その探検家の見聞が興味深いと思われたら、地理学者はその探検家の品行を調査させるのだとか。品行を調査してどうするというのでしょうね。

 

それについては、地理学者はこのように言っています。

 

「嘘をつくような探検家は、地理学の本を台なしにしてしまう。また、大酒を飲むような探検家も、同じことじゃ」

 

確かに、嘘はいけませんね。嘘を地図に書くことはできません。学問としても、嘘を発表することはしてはいけませんよね。では、酔っ払いの方はなぜかというと、

 

「酔っ払いはものが二重に見えるからだ。そうすると、地理学者は、山が一つしかないところに、二つも記入してします」

 

なるほど、これはユニークな見解ですね。子どもの目線から見ているような気もします。普通の大人だったら、こんな表現するでしょうか。

 

「ある人を知っているけど、その人は悪い探検家かもしれない」

 

王子さまは、唐突にこんなことを言います。もしかして、以前会った飲み助のことかもしれませんね。違う星にいますが。

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地理学者は、探検家の品性が良いように見えるときは、彼の発見したことを調査するそうです。ですが、実際に見に行くことはしないとか。それはあまりにも「複雑」なことだからだそうです。そのかわり、探検家に証拠の提出を求めるのです。たとえば、大きな山が見つかった場合は、その山の大きな岩を持ってきてもらうように要求するのです。果たして、この方法で山の存在は証明されるのでしょうかね。ちょっと信じられないような気もします。

 

王子さまが遠くの星から来たことから、地理学者は興奮して、話を聞き出そうとします。王子さまは、自分の星には火山が三つあること、そのうちの二つは活火山で、残りの一つは休火山であることを説明します。そして、もう一つ王子さまにとって大事な花が一輪咲いていることも教えました。

 

しかし、地理学者は花については記録しないと言います。王子さまがどんなにその花が一番きれいか訴えても同じでした。なぜかというと、花は『はかない』からだそうです。

 

地理学者は永遠のものしか記入しません。大洋の水が空になることもなければ、山の位置が移動することもめったにありません。なんでも、地理学書というのは、あらゆる書物のなかで一番信用がおけるものらしいのです。流行遅れにもならないとか。すごい自信ですね。

 

王子さまは、『はかない』の意味がわからないので、地理学者に何度も聞きます。

 

「『はかない』ってどういう意味なの」

 

幼い王子さまには、難しい言葉ですよね。そして、わかりにくい概念です。

 

「それは、『近く消滅する危機におびやかされている』という意味だ」

 

と、ずばり地理学者は答えます。それを聞いた王子さまは、後悔の気持ちがじわじわと湧いてきました。

 

「世間から身を護るのに四つの棘しかもっていないなんて!それなのに、ぼくは彼女をぼくの星に、たったひとりに置き去りにしたんだ!」

 

自分を責める気持ちになりました。あの花に会いたくて、戻りたいのでしょうね。

 

次にどこを訪ねたらよいか、王子さまは地理学者に聞きます。次は、地球がお勧めなのだそうです。評判が良いらしいのです。読んでいると、私たちは嬉しくなりますね。地球のことを褒められた気分です。

 

王子さまは花のことを思いながら、地球へと出発します。

 

引用元 『星の王子さま』アントワーヌ・ド=サンテグジュペリ 小島敏明訳 第三書房

 



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