『星の王子さま』第2章 純真な心の王子さまとの出会い 




こんにちは、育児真っ最中のえりえりです!

 

今日は王子と「ぼく」の出逢いについて書いてみたいと思います。第2章に書かれている部分ですね。

 

途方もなく人里から離れた砂漠の中で孤独だった「ぼく」は王子に出逢います。周りには誰もいません。

 

「ぼく」が王子に「こんなところで、何してるの」と尋ねると、王子は「ぼく」に、「ひつじの絵を描いて…」と頼みます。

 

普通の大人なら、こう思うかもしれません。

 

死の危険にさらされているというのに、ひつじの絵を描くこととは、なんとばかげていることだろう。

 

でも、「ぼく」はちゃんと王子に絵を描いてあげるのです。優しいだけではない。「ぼく」は、まだ子どもの心を完全になくしてはいないようですね。理解してあげようとしているのですから。いい人ですよね!

 

まず、「ぼく」は中の見えないボア大蛇の絵を描きました。すると、

 

「違う、違う! ボア大蛇に飲まれた象なんか、欲しくないよ。ボア大蛇、それはすごく危険なんだ。それに象、それはすごく場所ふさぎだよ。ぼくんとこは、とっても狭いんだ。羊が必要なんだよ。ぼくに羊を描いて」

 

なんということでしょう!王子には「ぼく」が描いたボア大蛇がわかるのです。これは驚きですね。幼いころの「ぼく」の夢が叶ったような感じです。まるで、子どもの「ぼく」の心が、王子の心に通じたかのようです。このときの「ぼく」の気持ち、想像できますか?「やっと、ぼくの絵の理解者が現れた~!」といったところでしょうか。

 

その後、「ぼく」は何度もひつじの絵を描きましたが、王子は気に入らない様子でした。

 

「だめだよ!これはひどい病気にかかっている。」

「これはおとなしい羊じゃなくて、オスだよ。角がある…」

「これは年寄りだよ。うんと長生きする羊が欲しいんだ」

 

 

王子は「おとなしい羊」を描いて欲しかったのですね。そして、「ぼく」はある絵を描きなぐって、ぽんと投げて渡します。

 

「これは箱だよ。きみの欲しい羊は中にいるよ」

 

すると、どうでしょう。

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「ぼくが欲しかったのは、まったくこんなのだったのさ!」

 

とても気に入ったようです。箱には空気穴が開けてあり、羊が息が出来るようにしてあります。小さな箱です。いや、これには驚きますよね。ただの箱の絵なのですから。普通なら、「え?」と引いてしまうところなのですが。

 

王子のところはとても狭いそうで、この箱に入った小さな羊が丁度よいのだそうです。

 

それにしても、箱の中に羊が入っているという設定、面白いですよね。しかも、「ぼく」の意図が、きちんと王子に伝わっています。これはすごい以心伝心ですよね。こんな風に子供の心と通じ合ってみたいものです!王子は「箱じゃないよ。僕が欲しいのは羊なんだよ。」というような文句を言わないのですから。

 

 

そうこうしているうちに、「ぼく」は王子が「ほかの星」からきたらしいということを知ります。王子の言う「ぼくんとこ」というのは、「どこかの星」なのですね。そして、「ぼく」は好奇心をそそられ、いろいろと王子に質問をします。

 

しかし、王子は質問には耳を傾けてくれませんでした。それもそのはず、子どもにとって質問にいちいち答えるのは面倒ですよね。王子とてまだ子どもなのです。

 

そのかわり、「ぼく」が飛行機と共に空から降りてきたということを知ると、王子は

 

「なんだって!じゃあ、きみは空から落っこちたんだ!」

 

と可愛らしくけらけらと笑います。無邪気ですよね。

 

ですが、「ぼく」が

 

「それじゃあ、きみも空から来たんだ!きみはどこの惑星の人?」

「では、きみはほかの惑星からきたの?」

 

と聞いても、王子は返事をしません。何やら一人でぶつぶつ言うのみです。

 

この王子の自己中心的な態度は、子どもそのものですよね。否定的な意味ではなく、子どもの真っすぐで純真な心の現れのように思います。

 

ですが、そののち、私たちは王子の思いやりの心に触れることになります。その話はまたいずれ。

 

引用元 『星の王子さま』アントワーヌ・ド=サンテグジュペリ 小島敏明訳 第三書房

 



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