『星の王子さま』第3章 外見で人を判断し,数字が好きな大人




こんにちは,育児真っ最中のえりえりです!

 

星の王子さま』は,大人に対する痛烈な批判を含んでいます。今日はその内容について触れてみたいと思います。

 

例えば,第3章のシーン,大人は人を外見で判断する,というのが一つです。

 

当時,その天文学者は,国際天文学会でその発見を堂々と発表した。ところが着ていた服が理由で誰も彼を信用しようとしなかった。おとなの人というのは,そんなものなのだ。

 

「ぼく」は王子さまの出身の惑星が小惑星B612番である,と信じているのですが,その小惑星があるトルコの天文学者によって,1度だけ望遠鏡で観測されたのだそうです。

 

そのような小惑星B612番の評判を気にしたトルコの独裁者が,国民に対し,ヨーロッパ風の服を着るように命じました。それに違反すると死罪になってしまうのです。おお,恐ろしい!

 

そこで,その天文学者は前回の発表から11年後,大変上品な洋服を着て学会発表をやり直しました。すると,どうでしょう。

 

みんなが彼の見解に同意したというのです。大人というのは,そういうものなのですね。着ている服で判断される。これは現実社会にはよくあることです。だいたい外見でその人のことを判断してしまうものですからね。ファッションには,職業や地位などが現れますよね。

 

この作品が書かれた時代,天文学などの学問はヨーロッパを中心に発展していた,というのが事実ですし,著者自身もその流れを冷ややかに批判していたのかもしれないですね。トルコの民族衣装よりヨーロッパのスーツやネクタイの方が学者らしいぞ,みたいに。

 

そして,もう一つの批判は,数字に関するものです。

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おとなの人というのは,数字が好き。新しい友だちの話をすると,彼らは肝心なことを絶対に訊かない。こんなふうには絶対に言わない。「その人はどんな声。好きな遊びは何。蝶々のコレクションをしているの」。彼らはきまってこう訊く。「その人は何歳なの。兄弟は何人いるの。体重は何キロ。お父さんの収入はいくら」。そこではじめて,彼を見知っていると思う。

 

子どもは感性に訴える表現や内容を好み,大人は数字で表せる方を選ぶ。確かに,現実社会でも同じことが起きていますよね。

 

例えば,入学試験にはテストの点数や偏差値が使われます。保育園の入園にしても,両親の就労状況や家庭内の状況が指数化されます。お金や経済に関することも全て数字ですよね。大人の世界は数字の世界。太陽がでる朝や夕日などは,空が明るくなるときだとか,暗くなるときなどと,目で見て感じるものですが,これは子どもでもしっかりと認識できますよね。それを,大人は日の出何時何分,日の入り何時何分と数時で表します。それで,理解し納得します。少し,話しが逸れましたね。

 

彼らを恨んだりしてはいけない。子供はおとなたちに対して非常に寛大でなければいけない。

 

と「ぼく」は大人たちを許すというか,もしかしたら,大人よりよく分かっているのは子供なのだから,というメッセージを感じます。作者が現代の大人をからかっているのかもしれないですね。大人は偉そうにしているけど,実は大したことないんだよ,子どもは子どもなりに冷静に物事を見ているんだぞ,というように。

 

子どもには子どもの道理や理屈がある。それが時には大人に通じないかもしれない。その逆もしかり。そんなことを感じさせる「ぼく」の回想です。

 

引用元 『星の王子さま』アントワーヌ・ド=サンテグジュペリ 小島敏明訳 第三書房

 



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